健康スポーツ医制度

健康スポーツ医の制度について
更新の手続き
健康スポーツ医ができること
よくあるご質問

健康スポーツ医の制度について

Ⅰ 目的

日本医師会は、健康スポーツ医の養成とその資質向上を通して地域保健活動の一環である健康スポーツ医活動の推進を図るために、日本医師会が定めた講習科目に基づく健康スポーツ医学講習会を修了したと認められる医師に日本医師会認定健康スポーツ医の認定証を交付します。
また、この認定証は、有効期間5年間に、再研修会5単位以上を修了し、実践活動を行った医師について、更新することができます。

Ⅱ 健康スポーツ医学講習会

1.講習科目

前 期

  1. スポーツ医学概論
  2. 神経・筋の運動生理とトレーニング効果
  3. 呼吸・循環系の運動生理とトレーニング効果
  4. 内分泌・代謝系の運動生理とトレーニング効果
  5. 運動と栄養・食事・飲料
  6. 女性と運動
  7. 発育期と運動 小児科系
  8. 中高年者と運動 内科系
  9. 発育期と運動 整形外科系
  10. 中高年者と運動 整形外科系
  11. メンタルヘルスと運動
  12. 運動のためのメディカルチェック 内科系
  13. 運動のためのメディカルチェック 整形外科系

後 期

  1. 運動と内科的障害 急性期・慢性期
  2. スポーツによる外傷と障害(1)上肢
  3. スポーツによる外傷と障害(2)下肢
  4. スポーツによる外傷と障害(3)脊椎・体幹
  5. スポーツによる外傷と障害(4)頭部
  6. 運動負荷試験と運動処方の基本
  7. 運動療法とリバビリテーション 内科系疾患
  8. 運動療法とリバビリテーション 運動器疾患
  9. アンチ・ドーピング
  10. 障害者とスポーツ
  11. 保健指導
  12. スポーツ現場での救急処置

2.講習会の開催
日本医師会ならびに都道府県医師会(所定のカリキュラムで開催し、日本医師会が承認)で講習会を開催します(以下、「健康スポーツ医学講習会」という)。
健康スポーツ医学講習会の日程等は、日本医師会ホームページや日本医師会雑誌等に掲載します。

3.修了証
健康スポーツ医学講習会の前期を修了した医師には前期修了証を交付し、また後期を修了した医師には後期修了証を交付します。
健康スポーツ医学講習会の前期修了証、後期修了証は実施主体のいずれかを問わず共通の取り扱いとなります。

Ⅲ 申請の資格、手続き、登録

1 資格
健康スポーツ医学講習会(前期ならびに後期)を修了していることが必要です。ただし、次の医師はすでに十分な講習を受講修了しているとみなし、初回の新規申請時一回に限り、日本医師会の健康スポーツ医学講習会が受講免除になります。
① 日本整形外科学会認定スポーツ医
② 日本整形外科学会スポーツ医学研修会総論修了者
③ 日本体育協会公認スポーツドクター
④ 日本体育協会公認スポーツドクター養成講習会基礎科目修了者

2 手続き
医師会非会員でMAMISのアカウントをお持ちでない方は、MAMISのアカウントを作成してください。
次の①②③の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出してください。なお、申請方法、申請受付期間は都道府県医師会によって異なりますので、申請にあたっては、一度、都道府県医師会にお問い合わせ下さい。
① 認定健康スポーツ医新規申請書
② 医師免許証の写【医師会員は不要】
③ 健康スポーツ医学講習会の修了証またはMAMISの単位取得状況表示画面を印刷したもの

注) ①の書類は都道府県医師会で配布しています。
注) ③2025年4月以降の健康スポーツ医学講習会については、紙またはPDFの修了証は発行されず、受講状況がMAMISに登録されます。

3 審査
都道府県医師会長は、認定健康スポーツ医新規申請書の届け出を受けた場合には、健康スポーツ医学講習会の受講状況などを審査した上で、日本医師会長に推薦します。
日本医師会長は、都道府県医師会長から推薦された医師について、審査を行って認定し、認定証を交付します。

4 登録
日本医師会は、認定健康スポーツ医登録台帳に認定証被交付者名などを登録します。
認定有効期間は5年間です。
登録された医師は、住所など登録事項に変更が生じた時には、速やかに、都道府県医師会を通じて、日本医師会に届け出て下さい。

更新の手続き

Ⅰ 趣旨

認定健康スポーツ医制度が社会的に活用されるためには、常に健康スポーツ医の資質の維持向上を図ることが重要であります。そのための再研修会などを受講した健康スポーツ医は認定証の更新ができます。

Ⅱ 資格と手続き

1 資格
更新のためには、認定を受け登録された日から5年間に次の①②の要件を満たすことが必要です。
① 日本医師会が実施または承認した再研修会5単位以上を受講修了していること(1単位は60分とする)。
② 健康スポーツ医として学校、職場、地域などにおいてスポーツ医学の立場からの指導・教育・診療などの実践活動を行っていること。

2 手続き
次の①②③の書類に審査・登録料10,000円を添えて所属の都道府県医師会(医師会員でない医師は勤務地の都道府県医師会)に提出してください。なお、申請方法、申請受付期間は都道府県医師会によって異なりますので、申請にあたっては、一度、都道府県医師会にお問い合わせ下さい。

① 認定健康スポーツ医「登録情報」更新申請書
② 再研修会受講証明書またはMAMISの単位取得状況表示画面を印刷したもの(合計として5単位以上であること)
③ 健康スポーツ医としての実践活動を証明する書類など
注) ①の書類は有効期限の4か月程前に都道府県医師会を通じて各認定健康スポーツ医に送られます。
注) ②2025年4月以降の健康スポーツ医学講習会については、紙またはPDFの修了証は発行されず、受講状況がMAMISに登録されます。
注) ③の健康スポーツ医としての実践活動については、以下の例が考えられます。

・学校医としてのスポーツ医活動
・産業医としてのスポーツ医活動
・日常診察の中での運動に関する指導(メディカルチェック、運動処方、運動療法等)
・競技大会等へ派遣(救護所における救急対応等)
・各種スポーツクラブでの活動(チームドクター等)
・スポーツ施設、健康増進施設、保健センター等での活動(健康増進施設嘱託医等)
・地域におけるスポーツイベントへの参加、スポーツ医事相談等
なお、実践活動の証明については、第三者による証明が難しい場合は、健康スポーツ医ご自身で活動内容を更新申請書に記入して下さい。

Ⅲ 再研修会の開催

更新要件の1つでもある再研修会については、日本医師会が行いますが、都道府県医師会などでも、日本医師会が承認した再研修会を開催します。再研修会の日程等は、日本医師会ホームページや日本医師会雑誌等に掲載します。

Ⅳ 再研修会の内容

● 例示

① 運動プログラム特論
② スポーツ栄養特論
③ 女性とスポーツ特論
④ 発育期と運動特論
⑤ 中高年者と運動特論
⑥ 運動処方特論
⑦ 運動処方実習
⑧ 運動負荷試験特論

⑨ 運動負荷試験実習
⑩ 運動療法特論
⑪ アンチ・ドーピング特論
⑫ 障害者とスポーツ特論
⑬ 保健指導特論
⑭ スポーツ現場での救急処置特論
⑮ その他、健康スポーツ医活動のために必要な研修内容等

Ⅴ 審査と登録

新規認定と同様です。

健康スポーツ医ができること

日本医師会認定健康スポーツ医はスポーツ医学の知識を生かして、みなさまの健康増進と体力向上に役立ちたいと願っています。
お近くの健康スポーツ医にご相談ください。

スポーツ医学に関するご相談

みなさまからの各種ご相談に応じます。
健康に関すること、スポーツ医学に関すること等々何でもお気軽にご相談ください。
またスポーツ指導者との連例のもとに、個々の事例に関してご相談に応じ、アドバイスいたします。

メディカルチェック

日々の健康のために異常の早期発見・早期治療、そして再発を含めた予防が必要です。
健康スポーツ医は、内科的疾患や運動器(骨や関節など)疾患に関するメディカルチェックを行います。

スポーツ医学に関する講演

一般のみなさまや、健康づくりに取り組む団体や企業様向けにスポーツによるケガや故障の予防、効果的なトレーニング、栄養、熱中症対策、生活習慣病予防などについて講演を行います。

地域スポーツにおける活動

マラソン大会などの各種体育大会での救護活動への協力や、総合型地域スポーツクラブと連携しスポーツクラブに参加する人のメディカルチェックや運動のアドバイスなどに関わります。

アスリート・スポーツ組織・スポーツ指導者に関する活動

スポーツ医の活動としては日常診療におけるアスリートの診療やチームドクターとしての役割もあります。チームドクターとしての関わりには、必要に応じて診療するレベルから、メディカルチェックの実施、チームの安全対策や健康管理、合宿や試合への帯同などいろいろなレベルの関わり方があります。

よくあるご質問

医師の方向け

スポーツ医学の歴史と認定健康スポーツ医制度ができた経緯を教えてください。
スポーツ現場からの強い要望を受け、1982年に日本体育協会が公認スポーツドクター制度を発足させ、その後、1986年に日本整形外科学会が認定スポーツ医制度を、1991年に日本医師会が認定健康スポーツ医制度を発足させました。
バブル崩壊後、少子高齢化の日本では、医療費の増大が国家財政を圧迫させたことから、健康体力づくりをスローガンとした国策としてのスポーツ医学が進められました。厚生労働省はメタボ対策をうちだし、2002年健康増進法を公布し、基本方針である健康日本21では、健康スポーツ医や健康づくりの運動指導者といった文言も盛り込まれ、健康増進を担う人材として位置づけられております。
健康スポーツ医になりたいのですが、診療科に制約はありますか。
診療科に制約はありません。
なお、診療科別割合は、平成20年時点の調査結果より、上位二科は、内科が46%、整形外科が16%でした。
スポーツ分野は呼吸器・循環器、小児、心療内科でも関わりがあります。あるいは女性特有の課題もあり、幅広い分野で関連があります。
認定健康スポーツ医になりたいのですが、どのようにすればよいでしょうか。
例年秋に開催される「健康スポーツ医学講習会」を受講修了され、ご所属かご勤務地のある都道府県医師会へ新規申請をしていただき、本会役員会において正式に承認されるという手続きとなります。(研修は4日間)
なお、日本整形外科学会もしくは日本体育協会による認定制度の認定医もしくは研修等修了者は、初回の新規申請時一回に限り講習会受講免除となりますので、証明書をもって新規申請が可能です。
他の団体のスポーツ医制度に加入していますが、研修は別途受講が必要ですか。
研修の受講は、各団体ごとに更新要件として定めておりますので、各団体ごとに受講が必要です。
なお、日本医師会の健康スポーツ医学再研修会のうち、他団体開催の研修会を指定し、単位を付与している場合もあります。
健康スポーツ医になった後、更新手続きはありますか。
認定されると、有効期間が5年間となります。更新のためには、5年間に①日本医師会が実施または承認した再研修会5単位以上受講修了し、②健康スポーツ医としての実践活動が必要です。更新手続きは、有効期限の4~5か月前に更新申請書が先生のお手元に届いてからのお手続きとなります。更新時に10,000円の登録料がかかります。ご所属の都道府県医師会(医師会員ではない医師は勤務地の都道府県医師会)にお問い合わせ下さい。
健康スポーツ医になるための費用はどのくらいかかりますか。
資格取得のための登録料は、10,000円となります。ご所属かご勤務地のある都道府県医師会に申請書類と併せてご入金をお願いいたします。5年ごとに更新があり、都度、10,000円の更新料も必要となります。
健康スポーツ医が国民の皆さまに役に立てる分野はどういったところですか。
健康づくりのための運動・スポーツからスポーツ障害・外傷予防、メディカルチェック、運動処方などの競技スポーツ、さらには、リハビリテーション、学校保健、産業保健、競技大会等における救急対応、チームドクター、健康増進施設嘱託医、スポーツ医事相談等に至るまで、幅広い分野を想定しております。
住所、勤務先等が変更となった場合、認定健康スポーツ医証、認定健康スポーツ医更新申請書を紛失した場合の再交付等、手続き方法はどのようにすればよいでしょうか。
ご所属の都道府県医師会(医師会員ではない医師は勤務地の都道府県医師会)にお問い合わせ下さい。

一般の方向け

病院で健康スポーツ医の認定証を見ました。健康スポーツ医とは、どのような医師のことですか。
運動を行う人に対して医学的診療のみならず、メディカルチェック、運動処方を行い、さらに運動指導者等に指導助言を行い得る医師のことです。スポーツ医学の知識を生かして、児童生徒の健康増進と体力向上に寄与するため、内科的疾患や運動器(骨・関節、それに付随する筋肉・神経)の健全や発育や疾患に関するメディカルチェック等も行います。また、生活習慣病予防のための運動やスポーツなど、健康増進を目的とした各種アドバイスも行います。ぜひとも、医師に具体的な相談をしてみてください。
健康スポーツ医の医師には、どのようなことを相談できますか。
子どもたちの健康に関することや健全な発育・発達のために、異常の早期発見・早期治療、再発予防に関することについてもアドバイスをいたします。また、生活習慣病予防のための運動やスポーツに関するアドバイスをし、メディカルチェックや運動処方を行い、適切な運動強度や頻度等について指導いたします。お気軽に相談してみてください。
個人でスポーツ医に相談してもよいのでしょうか。
2万名近くいる日本医師会認定健康スポーツ医は、全国の診療所等におりますので、その場でご相談いただくことは可能です。お近くの郡市区医師会もしくは都道府県医師会へお問い合わせいただければ、近隣の健康スポーツ医をご紹介いたします。
私は小学校の教員です。すでに健康診断を実施していますが、スポーツ医にお願いすることは可能ですか。
公立学校の健康診断は、各教育委員会から学校医として委嘱された医師が行っております。スポーツ医は、生徒の運動器(骨・関節、それに付随する筋肉・神経)の健全な発育状態のチェックや運動指導などが可能です。各校長ならびに教育委員会とご相談いただき、お気軽に都道府県医師会へお問い合わせください。
私は会社の福利厚生を担当している者です。従業員の健康診断を行っていますが、スポーツ医に何かお願いすることも可能ですか。
スポーツ医は疾病予防、健康増進の分野で専門的な知識を持っている医師です(メタボ対策など)。健康診断とは別に健康増進に関心がある場合など、お気軽にお近くの郡市区医師会もしくは都道府県医師会へお問い合わせください。
健康診断、健康増進について、健康スポーツ医に相談をしたいのですが、紹介してもらうことは可能ですか。
お近くの郡市区医師会もしくは都道府県医師会へお問い合わせいただければ、近隣の健康スポーツ医をご紹介いたします。

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